小麦アレルギー/グルテン

皆さんは小麦アレルギーを聞いたことがありますか?

スーパーなどで「グルテンフリー」と記載された商品を見かけたことは?

食物アレルギーというと、子供の頃からのものと思われがちですが、大人になってから突然発症する場合もあります。

特に大人は小麦や蕎麦・甲殻類・野菜・果物などで起こる場合もあり、発症年齢が遅い程治りづらいといわれます。

そんな小麦アレルギーとはいったいどのようなものなのでしょうか。


  • 小麦アレルギーとは?
  • 小麦に含まれるグルテン
  • 小麦アレルギーの症状
  • 注意すべき食品
  • 小麦アレルギーの対処法

小麦アレルギーとは?


食物アレルギーの中でも「3大アレルゲン」と呼ばれる牛乳・鶏卵・小麦。

その中のひとつである小麦アレルギーは、子供も大人も発症原因となりやすいのです。

小麦アレルギーはグルテンアレルギー(グルテン不耐性)ともいわれ、小麦に含まれるグルテンというたんぱく質が原因となることが多いようです。

アレルギーの原因となる食べ物(小麦)を食べたあと10〜15分(2時間以内)に皮膚のかゆみ・蕁麻疹・目のかゆみ・咳・下痢・腹痛・嘔吐などが起こる即時型と、食べてから数時間〜数日後に症状が出る遅発型アレルギーとがあります。遅発型では症状が遅れて発症するため、本人も原因に気がつきにくく、単なる体調不良と誤診されてしまうことも。

即効型では、アナフィラキシーによる血圧低下や呼吸困難により最悪の場合死亡することもあります。


小麦に含まれるグルテン


小麦アレルギーを起こす原因として、小麦に含まれるたんぱく質であるグルテンが原因となっていることが多いようです。

グルテンというたんぱく質は小麦独自のでモチモチとした食感、粘りや弾力をもたせる性質が有ります。

パンを膨らませたり、うどんにコシを出したり、もっちりとしたパスタの食感もこのグルテンのおかげです。

ところがこのグルテンが原因となり、体調不良を引き起こす人はとても多いのです。

パスタやラーメン、パンなどを食べた後に異様に眠くなることは有りませんか?

実はこの症状もグルテンの仕業なのです。

なぜ小麦粉製品をたくさん食べると眠くなるのか?というと、血糖値の急激な乱高下にあります。グルテンは血糖値を急上昇させます。するとその後身体は血糖値を下げるためにインシュリンを多量に分泌し、今度は血糖値が急降下します。この血糖値の急降下の際に眠たくなるといわれています。

この、インシュリンの分泌がうまくいかず血糖値が高いままになると糖尿病という病気になりやすくなります。

また、血糖値が下がる際に空腹感を感じ易いため、血糖値の急上昇・急下降をふせいで安定させることがダイエットにも効果的です。

小麦は世界3大穀物のひとつで、世界中で広く栽培されています。

たくさんの小麦粉製品が溢れている現在、小麦はその収穫量を増やす為に数多くの品種改良がなされてきました。

特に小麦に含まれるたんぱく質であるグルテンは、交配により大幅にその構造が変わってしまいました。

この品種改良のせいで、近年「グルテン過敏症」「グルテン不耐性」「遅延フードアレルギー」の人が増えてるとも言われています。

ちなみにグルテンの量が多く、性質の、強いものから順番に強力粉>中力粉>薄力粉となっています。


小麦アレルギーの症状


小麦アレルギーで引き起こる症状には次のようなものがあります。

  1. 皮膚
    皮膚の赤み・痒み・蕁麻疹
  2. 口・のど
    唇、舌、口、のどの腫れ・かゆみ・違和感・口内炎・声の枯れ
  3. 消化器
    腹痛・下痢・血便・吐き気・嘔吐

  4. 眼のかゆみ・充血・涙・まぶたの腫れ
  5. 呼吸器
    鼻水・くしゃみ・鼻づまり・咳・喘息・呼吸困難
  6. アナフィラキシー
    上の症状が同時多発的に起こりショック状態になる。呼吸困難、血圧低下により死亡に至ることも。

15~20分ですぐに症状が出てくる即時型と、数時間〜数日後に症状が出てくる遅発型があります。即時型は自覚症状もあり原因がわかりやすいですが、遅発型はアレルギー原因の食品を食べてから発症まで時間がかかるため、自覚が無い場合もあります。

いつもなぜか身体が怠い、頭痛する、疲れが取れず朝起き上るのが辛い、などのちょっとした体調不良の原因が小麦粉アレルギーのせいだったりもしますが、これらの症状でアレルギーを疑って病院で検査を受ける人はいませんよね。

よほど日常に支障をきたさない限り、病院へさえ行かない人がほとんどかと思います。

試しに2週間小麦粉製品をまったく食べないでみてください。

2週間後、はっきりと身体が軽くなったり頭がすっきりした場合、小麦アレルギーまではいかなくてもグルテン過敏症の可能性があります。

その後、たとえばパンやパスタを食べてみて、腹痛や倦怠感、その他上記の症状を感じた場合は小麦アレルギーの可能性があります。その時は病院でアレルギーの検査をしてみましょう。

小麦アレルギー、グルテン過敏症、いずれの方もできるだけ小麦粉製品の摂取を避けるようにしましょう。日々の不調を放置しておくと別の病気や体調不良に繋がります。ちょっとした不調も受け流さず、身体がより快適に感じられるように改善していきましょう。

体調を崩すと長引いて治りづらい。

風邪をひきやすい。

夜早く寝ても朝起きるのが辛い。

いつも頭がすっきりせず重だるい。

感情の起伏が激しい。

疲れやすい。

アトピー性皮膚炎がある。

喘息の症状がある。

これら症状の原因として小麦アレルギーの可能性があるのです。

小麦アレルギーは精製した小麦だけでなく、全粒粉の製品やお菓子、調味料などに含まれる全てに対してアレルギー反応が出ます。そういった、明らかに小麦粉製品とは見えない部分の小麦やグルテンにも注意しましょう。


注意すべき食品


  • 小麦
    小麦粉(薄力粉・中力粉・強力粉・デュラムセモリナ小麦など)
  • 小麦製品
    パン・パン粉・うどん・麩・スパゲティ、マカロニなどのパスタ全般・餃子の皮・ラーメン・カップ麺など
  • 小麦を含む加工食品(一例) カレーやシチューのルウ・洋菓子類(クッキー、ケーキ、ドーナツなど)・一部の調味料・冷凍食品・小麦グルテンを含む加工食品(パン、米粉パン※、麩など)
    ※市販の米粉パンには、パンを膨らませるために小麦たんぱく質であるグルテンが使用されている場合があります。原材料表示を良く確認しましょう。
    (表示例:グルテン(小麦由来)または原材料の一部に小麦を含むなど)

味噌や醤油、穀物酢、麦茶にはグルテンは含まれていませんので安心です。


小麦アレルギーの対処法


もし自分が小麦アレルギーだったら…

小麦アレルギーの対処法の1番は、小麦製品を食べない事です。

残念ながら、大人になってから発症したアレルギーは治りづらいといわれます。免疫療法としてアレルギーの原因となる物質を極微量ずつ毎日摂取して耐性をつける方法がありますが小麦(グルテン)に対しては一般的ではありません。また免疫療法を続けたとしても、改善される人が約3割程度、そのほかの人は変わりがないか、場合によっては悪化することも。

シンプルに、食べないを生活を意識しましょう。

とはいえ、大好きなパンもパスタもずっと食べられないのは辛いですね。

そこでそんな時は代替え製品を利用してみましょう。

代表的な製品として米粉があります。米粉とは、ごはんと同じうるち米から作られます。他にも上新粉、もち米から作られる白玉粉などもそうです。

また、最近ではグルテンフリーと記載されている商品も増えてきました。

代替え製品とその方法

パン・ケーキなどの菓子類

米粉・雑穀粉(きび、ひえ、あわ、トウモロコシなどの粉)

米粉にデンプン(片栗粉やタピオカ粉、コーンスターチ)を混ぜて使うと食感が軽くサックリと仕上がります。

うどん・パスタなどの麺類
・米粉麺・フォー・ビーフンなど、米粉で作られた麺。・雑穀麺(あわ麺、きび麺、ひえ麺、ホワイトソルガム麺など)
米粉麺は乾麺や冷凍麺などお好みで使い分けが出来ます。米粉麺やフォーは加熱すると食感が柔らかくなるので、離乳食にも安心して利用出来ます。

餃子・しゅうまいなど
・生春巻きの皮(ライスペーパー) ・米粉で作られた餃子の皮

ルウ
・米粉やデンプン(片栗粉やタピオカ粉、コーンスターチ)でとろみをつけることができます。

揚げ物の衣
・コーンフレーク・大豆フレーク・春雨を細かく砕く。

・米粉パンのパン粉
衣に卵が使えない場合は、デンプン(片栗粉やタピオカ粉、コーンスターチ)を水で溶くか、アレルギー対応のマヨネーズを材料に薄く塗るなどして代用出来ます。

アメリカではグリテンフリーが大ブームになりました。

グルテンフリーの食品も増えており、グルテンフリーのパスタ、うどんもあります。

知識をしっかり持つことで、グルテンフリーでも毎日美味しく楽しい食事は可能です。

そして健やかでいきいきと美しい毎日を過ごしていきましょう。

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